
元中学校教員として働きながら、現在も教育・ビジネス・自己啓発など幅広いジャンルの本を読み続けているいとこんです。これまでに 100 冊以上の教員関連書籍を購入してきました。
今回はその中から「①読んだ翌日から現場で実践できる②教員にしか伝わらないリアリティがある③今でも本棚に残している」と言う3つの基準で厳選した書籍を紹介します。
初任・若手の先生、教採を控えている方、クラス運営に悩んでいる方、仕事疲れが溜まっている方、それぞれに最適な一冊を最後の「まとめ」でも紹介しています。ぜひ最後まで読んでみてください。
実際にすべて購入した上で、中でもおすすめしたい本をここで紹介します。教育実習生、新任の先生、これから主力になる中堅の先生へ向けて授業のテクニック、指導方法などの改善に役立ててください。
初任者・若手の先生・教育実習生 へ オススメする3選
教えるということ(大村はま)

もしあなたが若くてこれから教師としての道を歩む気持ちが少しでもあるなら持っていてほしい鉄板の1冊です。
この本を読んで、「教員という仕事は『子どもは可愛いな』っていうだけでは務まらない」と心底感じたのと同時に、プロ意識を持って常に「子どもの伸び」を考えられる人であろうと思いました。
こんな人にオススメ
・「教師」とはどうあるべきかの本筋を理解したい人
・自分にしっかり喝を入れて、新しい教育を実践していく教育者の言葉を聞きたい人
読みやすさ:★★☆(1〜2時間で読了)
教員1年目、私は「子どもが好き」という気持ちだけで教壇に立って、すぐに限界を感じた。この本を読んで初めて、「教えるとは何か」を言葉にできた気がした。
特に響いたのは「子どもが『わかった』と感じる瞬間をどれだけ作れるか」という問いかけ。それ以来、授業設計の基準が「自分が教えたか」から「子どもが理解したか」に変わった。教師としての軸を作りたい方に、最初に読んでほしい一冊。
対象:教採前〜5年目の先生に特におすすめ
学級経営の教科書(白松賢)

表紙に記載されている通り「イメージや経験ではなく、理論的に学ぶ学級経営」を理解できます。何よりもわかりやすくて、学級経営に携わる人全員読んでおくと現場でも生かされる内容だと思っています。
ベテランで、もう何十年も教員として実践を積んでいる方は「今更こんなこと…」と飽きてしまうかと思いますが、まだ実践すらしていない若手の方やクラス経営歴の浅い方は学べることが多いはずです。
こんな人にオススメ
・学級経営に悩んでいる若手の教員
・教員採用試験対策で、理解しておくべき学級経営の理論を1冊で学習したい人
読みやすさ:★★☆(図解が多くて読みやすい)
「なんとなくうまくいかないクラス」を担任していた頃、この本で学級経営の「理論」を初めて体系的に理解した。これまで感覚でやっていたことに名前と根拠がついた感覚。
教員採用試験の面接でも、学級経営について質問されることが多いが、この本の考え方をもとに答えると非常に説得力が出る。
対象:若手〜中堅の先生 / 教採の学級経営対策にも◎
新卒時代を乗り切る!教師1年目の教科書(野中信行)

私はこの本を教師5年目で読んだんですが「新卒の時に出会って読んでたらな~」と思いましたが、実際教育実習生を指導するときには大変役立ちました!
教員採用試験が合格し、教壇に立つ前にやっておくべきこと・意識すべきことはこの1冊で学習できますね!ぜひ、教員なりたての方には手に取ってみてほしい1冊です。
こんな人にオススメ
・教師になることが決まっていて、何の準備をしておけばいいか学んでおきたい人
・教師1年目の人
読みやすさ:★★☆(短時間で読み切れる)
私はこの本を教員3年目で読んだ。「新卒の時に読んでいたら・・・」と強く感じたが、教育実習生への指導場面でその後非常に役立てることができた。
「4月の最初の3日間で1年が決まる」という主張は、実際に現場で経験して本当にその通りだと感じている。着任前・着任後すぐに読むことで、4月のスタートダッシュが全然変わる。
対象:これから初めて担任を持つ先生に最優先でおすすめ
学級経営・児童生徒対応のノウハウが学べる本3選

教師のNG思考(土居正博)
この本は、他の本と異なり、教育の世界に絶対的に正解なことはないけど、「不正解」は存在するという主張で思考法などが紹介されています。
簡単に子どもに「いい子だね」と発してませんか? その発言がもしかしたら不の影響になっているかもしれません。そんな自分の行動や考え方を振り返らせてくれる本です。
こんな人におすすめ
・教員として避けたい思考法を学びたい人
・教員になる方~中堅以上のベテラン先生
読みやすさ:★★☆(事例が豊富で読みやすい)
この本を読んで、自分がいかに「NGな思考」をしていたかに気づいた。特に「褒める時」の話は衝撃だった。何気なく「えらいね、すごいね」と言い続けることが、子どもの主体性を奪っている可能性があるとは思っていなかった。
若手だけでなくベテランの先生にこそ読んでほしい本。長年の習慣を見直すきっかけになる。
対象:全教員。経験年数に関係なく刺さる一冊。
策略ー ブラックシリーズ(中村健一)

私はこのブラックシーズが好きで、全部読破しました。表紙からイメージする「ブラック」とは異なり、教育のプロとしての視点から意識することを学べます。
この中村健一さんのブラックシリーズは、8冊あります!それぞれ「ブラック仕事術」「ブラック学級開き」「ブラック生徒指導」など、現場で即実践できる分野ごとに分かれています。これから極めたいスキルの分野や悩んでいる部分がはっきりしている人は、興味ある1冊から手に取ってみるといいかもしれません。
こんな人にオススメ
・自分が磨きたい力が分かっており、現場教員としてのヒントを得たい方
・具体的なノウハウや、現場のイメージをつけたい若手の方
読みやすさ:★★☆(各章が短く隙間時間に最適)
タイトルの「ブラック」という言葉で誤解されがちだが、内容は非常に真っ当な教育実践の本。私はこのシリーズを全冊読んだが、特に「ブラック学級開き」は4月前に毎年読み返していた。
「この分野を強化したい」と言う目的意識がある方は、分野別に1冊ずつ手に取ってみてください。学級開き・生徒指導・仕事術など、テーマごとに分かれているので使いやすい。
対象:現場経験1年以上の先生。実践的なヒントが欲しい方。
学級通信にも使える! 子どもに伝えたいお話100(熱海康太)

学級通信や朝の会、帰りの会、学年集会と、先生から子どもたちへお話する機会は結構あります。若い時は特に話のネタは、意外と頭を抱えてしまいますよね…。それに、話すのがもともと得意ではなく、結局何を伝えたかったのか?となってしまう。
そんな方には、授業以外で児童生徒たちに伝えたいことをネタに、100個集めてくれています。しかも、ただネタを集めてるだけでなく、「教師の発問」や「ポイント」をわかりやすく解説してくれています。この本に助けられた人も多いはず…。
こんな人にオススメ
・話のネタや引き出しを多めに持っておきたい人
・学級通信で良いことを書いて、保護者の信頼を得たい人
読みやすさ:★★☆(辞書的に使えるので通読不要)
朝のホームルームや学年集会で「何か話さなければ」という場面が、教員には頻繁にある。私も若い頃は本当に困っていた。この本は辞書のように使えるので、前日の夜に1つピックアップしておくだけで翌日の話が決まる。
学級通信のネタにもそのまま使えるので、通信を週に複数回発行している先生には特に重宝する。
対象:学級通信を書いている先生・話のネタ不足を感じている先生
誰でも通る悩みと不安を解決するヒントをくれる本
学級経営の心得ー 担任の不安が自信に変わる 150のメソッド(宮澤悠維)

著者の宮澤悠維さんは、youtuberとしても活躍されていることをご存じのかたもいらっしゃると思います。動画でも解説している内容の考え方や心得が、この1冊でしっかり理解できます。
「どうすればうまくクラスがよくなるのか」と不安になって、夜には考えて眠れない日々を過ごした私もこの本を後から読めば必ず背中を押してくれたなあ、と感じます。本を読んでからは、実践を必ずしてくださいね。子どもたちと一緒に成長しよう!と強く思える1冊です。
こんな人にオススメ
・学級経営につまずき、どうしたらいいかわからなくなった人
・子どもたちとの距離のとり方など実践的なノウハウを知りたい人
読みやすさ:★★☆(Youtube で著者の動画を見てから読むと入りやすい)
「どうすればクラスが良くなるか」を夜な夜な考えて眠れなかった頃、この本を読んで少し楽になった。「全部自分でなんとかしなければ」という呪縛から少し自由になれた感覚。
著者のYoutubeチャンネルと合わせて読むとより理解が深まる。動画で概念を掴んでから、本で体系的に理解するという使い方もおすすめ。
対象:クラス運営に行き詰まっている先生。初任〜中堅
先生、どうか皆の前でほめないで下さい(金間大介)

様々なデータとその分析に基づいた説明で大変納得感の高い興味深い本です。子どもたちとの接し方に悩んでいる先生にはぜひ読んでほしい1冊です。
これを読んで、私自身が「いい子症候群」に当てはまっているなあと感じました。9章で語られている「日本人論」そして、10章の「いい子たちへのアドバイス」は特に面白く、明日からの子どもたちへの接し方を考えさせられましたね。
こんな人にオススメ
・子どもたちが何を考えているかわからない人
・データに基づいた根拠を示した上で、最近の若者心理が知りたい人
読みやすさ:★★★(データと分析が多く、腰を据えて読む価値あり)
「いい子症候群」という概念を知った時、自分自身がそれに当てはまっていることに気づいた。叱られることを極端に恐れ、目立たないように振る舞う若者の心理が、データに基づいて丁寧に解説されている。
この本を読んでから、クラスの子どもたちへの声掛けを意識的に変えた。「みんなの前で褒める」ことが必ずしも良い効果を生まないと知ったことで、個別のフォローを重視するようになった。
対象:最近の若者の心理を理解したい先生。中堅〜ベテラン
教師のしくじり大全 これまでの失敗と改善策(松下隼司)

現役で今も小学校教員としてご活躍されている、松下隼司先生が「だれもが一度は経験する失敗」をわかりやすく、丁寧にまとめてくれています!教員歴は21年のベテラン先生!
内容は、子ども対応、学級経営、授業、保護者対応、同僚対応、校務分掌、育児、家事、アンガーマネジメントなど、、、教員をしながら子育てでの苦しさもあり、時間がない中でどうやりこなせばいいか松下先生なりの「育児」「家事」の失敗内容も盛り込まれています。
こんな人にオススメ
・現場ベースでの実体験を元にした「失敗」と「改善策」を知りたい人
・実は既に教員として働くのに疲れてしまって、元気をなくしている人
読みやすさ:★★☆(短いエピソードが続くので読みやすい)
「失敗事例」から学ぶ本は数少ない中で、この本は教員生活のリアルな失敗が包み隠さず書かれている。「こんな失敗、自分もした」という共感と、「だからこう改善する」という実践が両方得られる。
仕事に疲れていたり、自信をなくしている先生が読むと「みんな同じように悩んでいたんだ」と少し気持ちが楽になる効果もある。
対象:現役教員全員。特に「限界かも」と元気をなくしている先生
教師の効率化に役立つ! 働き方改革に貢献するオススメ本
教師の最速仕事術大全(三好真史)

この本の著者三好さん、なんと毎日定時退勤・定時出社、テストは即日返却、持ち帰り仕事ゼロ、加えて週に4~5回の習い事、月に30冊の読書と…徹底的に仕事の無駄を省いたうえでの教師としての働きぶり!
即実践できるノウハウしかないので、明日から「すぐ帰ってやる!」と意気込んでいる方はもう絶対読むべき本です。
こんな人にオススメ
・すぐに帰れる実践的仕事ノウハウが知りたい人
・教師の働き方改革の実践的な部分を取り入れていきたいと思っている人
読みやすさ:★☆☆(1つの仕事術が短くまとまっているので通勤中でも読める)
著者の三好先生が「毎日定時退勤」を実現しているという事実に、最初は半信半疑だった。しかし本に書かれているノウハウは具体的で再現性が高く、読んだ翌日から「これ試してみよう」と実践できるものが何個もあった。
私自身、この本をきっかけに残業を減らすことができた。「残業を減らしたいけど何から手をつければいいかわからない」という先生に、最初の一冊として強くおすすめする。
対象:残業・持ち帰り仕事を減らしたい先生。全校種対応
さる先生の「全部やろうはバカやろう」(坂本良晶)

多くのというか、ほとんどの先生は「全部(私が)やらなきゃ!」と思っているのでは?実際、私はそうでした…。でも、先生って朝から晩までいつでもどこでも、やることに追われています。この本で、力の抜き加減を学ぶヒントが得られると思います。
最近息詰まって、疲れが溜まっていた先生は、この1冊で日々の仕事のいい意味での「適当さ」を身に着けてみませんか?仕事の効率化が、早く仕事を終える鍵になっていることは間違いありません。
こんな人にオススメ
・自分で抱え込んでしまう完ぺき主義な部分があり、かつ仕事に疲れてきた先生
・すぐに帰れる仕事術を、現場で即実践できるレベルで知りたい人
読みやすさ:★☆☆(読みやすくテンポがいい)
「全部やらなきゃ」という教員あるあるの呪縛を、笑いながら解いてくれる一冊。私もかつて「手を抜くことは子どもへの裏切り」と思い込んでいたが、この本を読んで「適度に手を抜くことが長く続けるコツ」だと気づけた。
特に仕事を抱え込みがちな真面目な先生ほど、ぜひ読んでほしい。図解版も出ているので、活字が苦手な方は図解版から入ると読みやすいと思う。
対象:完璧主義な先生・仕事に疲れを感じている先生
まとめ
「どこから読めばいいかわからない」という方に向けて、状況別のおすすめを整理します。
【あなたの状況別・最初に読む1冊】
| 教員採用試験を控えている | 「学級経営の教科書」 |
| 初めて担任を持つ直前 | 「教師1年目の教科書」 |
| クラス運営がうまくいかない | 「学級経営の心得」 |
| 自分の思考の癖を見直したい | 「教師のNG思考」 |
| 仕事の疲れが溜まっている | 「全部やろうはバカやろう」 |
| 残業・持ち帰り仕事を減らしたい | 「教師の最速仕事術大全」 |
| 子どもへの接し方を根本から見直したい | 「先生、どうか皆の前でほめないで下さい」 |

