【教採必須トピック】「ヤングケアラー」とは?

教育時事「ヤングケアラー」
いとこん
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昨今、問題となっている「ヤングケアラー」って知ってますか?

最近の教員採用試験では、この言葉の意味を知っている前提で面接試験で問われることも増えています。しっかり用語を理解し、今の日本の現状も把握しましょう。

この記事をおすすめする人

●「ヤングケアラー」について理解したい人

●なんとなく「ヤングケアラー」の意味だけ知ってるけど、問題点などをしっかり把握したい人

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ヤングケアラーとは?

実は「ヤングケアラー」は、法令上の定義はありません。ただ一般的に「本来大人が担うとされている家事や家族の世話などを日常的に行っている18歳未満の子ども」のことを言います。

また、別名「幼き介護者」とも言われています。

最近は国会の議題にもよく話題となり、ニュースや書籍でも幅広く取り上げられるようになってきたホットワードのひとつです。背景には、日本で核家族化や共働き世帯の増加により、子どもが世話をせざるを得ない状況を作り出していることがあげられます。

病気や障害を持った親の看病・世話をするのが「ヤングケアラー」と思っている方がいますが、実はそれ以外にも「料理等の家事」「兄弟のお世話」「家族の見守り」「日本語の通訳」「労働」「依存症である家族の対応」も含まれています。

ポイントを以下にまとめます。

「ヤングケアラー」:本来大人が担うと想定されいてる家事や家族の世話などを日常的に行っている子どものこと。責任や負担の重さにより、学業や友人関係などに影響を及ぼしてしまうことがある。

具体的には

・障害や病気のある家族の代わりに、家事(料理・洗濯・買い物…)を行っている。

・親に代わって、幼い兄弟姉妹の面倒を見る。

・日本語が第一言語ではない家族のための通訳を行う。

・アルコールやギャンブル、薬物依存などの問題を抱えている家族の対応をしている。

・家計を支えるために仕事(労働)をして、障がいや病気のある家族を支えている。

ヤングケアラーの問題点・課題点とは?

家族のケアをすることは決して悪いことではないとは思いますが、支援を日々し続けることで学校に行けなくなったり、進学をすること自体を諦めたり、今後の就職に影響が出たりと、その子自身の将来に影響が出てしまうことは問題となると考えます。

以下特に大きく3つの問題があると言われています。

(1) 家庭内のデリケートな問題のため、表面化しづらく、地方自治体での現状把握が難しいこと。

(2) ヤングケアラーに対する支援につなぐための窓口が明確でないこと。

(3) ヤングケアラーの認知度が浸透しておらず、支援が必要な子どもがいても、子ども自身も周囲の大人も気付けないこと。

またこれに加えて、家族や子ども本人が支援を拒むこともあり、支援したくてもできない現状もあります。

ヤングケアラーの実態

厚生労働省の「ヤングケアラーの実態に関する調査研究」の報告書(R2年度)では、

世話をしている家族が「いる」と回答した子どもは、中学2年生で5.7%全日制高校2年生で4.1%。その中には、世話をしていても自分のやりたいことへの影響は特にないと回答した子どもが半数いる一方で、家族への世話を「ほぼ毎日」している中高生は5割弱。一日平均7時間以上世話をしている中高生が約1割存在する結果となりました。

だいたいクラスに1人~2人程度はヤングケアラーであるという感覚です。

本人にヤングケアラーという自覚がない子も多く、子どもらしい生活が送れず、誰にも相談できずに日々ひとりで耐えている状況がうかがえるでしょう。

ヤングケアラー支援マニュアルの公表

2023年、東京都でヤングケアラー支援マニュアルを作成され、以下支援パターンを3つ紹介しています。

(1) 伴走・寄り添い型

 地域での会話や見守りによって、日常の中で居場所の提供や息抜きを作る。

(2) 共感型

 元ヤングケアラーに話を聞いてもらったり、相談SNSを通して助言・経験を得る機会をもらったりすることで精神的に寄り添う。

(3) 課題解決型

 本人や家族に福祉サービス等を提供する。

大事なのは、まずは相談ができる環境や体制をしっかりと作ることだということが分かります。学校でも相談できる体制を整える取り組みは大事になってくるでしょう。

ヤングケアラーにもっと詳しくなれる

ヤングケアラー支援マニュアル

上記でも触れましたが、2023年3月27日に東京都は「ヤングケアラー支援マニュアル」を公表しています。ヤングケアラーについて認識を深め、早期の発見や支援につなぐことができるように、支援のポイントをまとめています。

学校教育に携わる人は、以下の支援マニュアルは一読しておくと良いでしょう。

東京都ヤングケアラー支援マニュアル

東京都ヤングケアラー支援マニュアル・教育関係機関(学校)編

もっと知識を深めたいならこの良著

「ヤングケアラー―介護を担う子ども・若者の現実 (中公新書)」 

私も個人的にこの本は購入して読んだのですが、教育業界にいるからとか関係なしに、今後の日本と「介護」は切ってもきれない関係なことを考えても読んでよかったと思いました。日本の各地域のヤングケアラーに対する調査や取り組み、イギリスのヤングケアラー支援についても学べます。

Youtubeから

【ヤングケアラー】ALSの母親 増える息子の負担 必要な支援とは?(STVニュース北海道)

まずは多くの人にヤングケアラーの実態を知っていただき、学校含めて地域でどのような支援が必要となるのかを一人一人が考えていくことが大切だと思います。Youtubeでは、まだ「ヤングケアラー」をキーワードとした動画が上がっておりますので、ぜひご自身でも検索してご視聴ください。

教採の想定問題 ~ヤングケアラー~

最近は「ヤングケアラー」に関することが筆記試験、面接試験でも見られるようになってきました。以下は、教採で想定される投げかけです。回答はあくまでも私が受験者だったら、私が教員だったら、というところで考えて答えています。

ご自身なりの回答をしっかりと考えて、「わたしだったらこうする!」というところは盛り込んで回答できるようにしておきましょう!

Q
あなたが担任をしているクラスの児童・生徒に「ヤングケアラー」の子がいたら、どのように対応しますか?
A

はい。まず最初にその子の状況や実態を知ることからはじめます。具体的には、生徒と個別に話す機会を設け、生活面や学習面について本人自身が困り感があるのかどうかや、将来に向けて取り組みたいことがあるのにできていない状況がないかなどを把握します。

実態を知った上で、生活面や学習面等に著しく影響がある場合は、今後自治体の支援の要請が必要なのかや、福祉へつなげる必要があるのか、などを管理職の先生方含めて考えていきたいです。

その際は、その子の保護者の気持ちもしっかり尊重しつつ、子どもの自己実現のためのより良い方策を慎重に進めていきたいと考えています。

まとめ

厚生労働省は、2024年度から「ヤングケアラー」への支援強化に乗り出すことをすでに発表しています。文科省も、すでに学校現場での対策に着手をしており、社会福祉士などの有資格者らが相談に乗れる相談体制づくりを進めているようです。

ただまだまだ相談窓口は充実しておらず、この「ヤングケアラー」の言葉も実態も広まりは大きくありません。今後はもっと国全体で地域・学校含めて取り組む課題となることは間違いないでしょう。

またこれから教員採用試験を控えている方は、「ヤングケアラー」は確実に教育時事のテーマのひとつです。しっかりと問題点・課題点まで把握し、自分の言葉で子どもたちを救うための解決策を提示できるようになりましょう!

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元中学校教員の いとこん です。営業、大学職員を経て、現在は DX コンサルタントとして働きつつ、ブロガーとしても活動しています。本ブログは、主に【教員の入口(教員採用試験対策)】【教員からの出口(転職ノウハウ)】【現職教員へのヒント】を自分の経験をもとに発信しています。

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