教員は定時退勤ができない仕事?
本当にそうでしょうか。もちろん時間が決まっている活動が定時退勤後にある場合もあるとは思いますが、それ以外の日は工夫次第で即退勤もできるはず!
私が実践していたことを皆さんに共有しますので、ぜひ今日からでも意識してみてください!
現時点での国内の働き方改革の現状
教員の働き方改革は、長時間労働の解消、教育の質の維持、教員不足への対応を目的としていますが、
国や自治体をあげて大きく動くにはまだまだ時間はかかりそうです。
ただ、日本の教員は世界最長の労働時間で働いており、その改善が早急に求められていることも事実です。
教員の精神的な疲労や教育の質にも直接的に影響があることは間違いありません。毎日夜遅くまで仕事をして、土日出勤が当たり前になると身体的にも精神的にも疲れてしまいます。
また、教員不足も深刻化する中、教育現場の労働環境を改善し、採用希望者を募っていくのは喫緊の課題でしょう。
なぜ日本の先生の労働時間は長いのか
ではなぜ先生方はそんなに労働時間が長くなってしまうのでしょうか。私が教員をしていた時を思い返すと、以下2つが大きな要因だと考えます。
やるべきことが多い
1つ目の理由は、単純にやるべきことが多いからです。
具体的には事務作業、担任業務、部活動指導、(部活以外の)課外活動業務、保護者対応などなど。
定められた労働時間の中で複数の業務をスケジュール通りに終わらせるには、どうしても残業をしないと完了しません。
そして、生徒指導や保護者対応は、いつ起こるかも予知できず、突発的に入ってくることも多いです。
余裕を持って定時退勤をして、全ての業務を滞りなくできている先生はまずいないことでしょう。
人員補充が追い付かない
2つ目は、人員補充が追い付いていないからでしょう。
産休や育休、病休等でお休みをする先生の補充が、なかなか進まず、確保されないまま年度を迎えることは、最近は特によく見かけるようになってしまいました。
教師は、教員免許が必ず必要となるため、無免許の方を採用するわけにはいきません。そのため、お休みした先生ひとり分の負担を、いる先生でうまく分散させて仕事を回すことはよくある話です。
では早く帰ることは難しいのか?
ただ、上記の事実がありながらも、私は教員時代比較的早く帰っていました。
私の学校では定時退勤時刻は、16:45でしたが、平均して18:00~18:30には退勤していました。ちなみに毎日校内の先生の中で5番目以内に学校を出ていました。(ちなみに毎日遅くまでいる先生は22:00~23:00だったと聞きました…。)
たしかに部活動などの決まった時間に終わるものが入ってくるときはどうしようもないのですが、
その他でやるべき業務は、スケジュール通りに調整して終わらせていました。
今回は、忙しい先生方がどのようなことに意識して仕事をすればいいかのヒントになればと思っています。私が早く帰るときに心掛けていた10個のことを、明日から(いや今日からでも)実践してみてください!
To Doリストの作成と管理
先生方は一人一台のパソコンを借りて作業しているかと思います。パソコンにTo Doリスト管理用のツールをひとつ持っておきましょう。
手始めに、Google カレンダーでのタスク管理をおすすめします。大変使いやすく、カレンダーで〆切を意識しながら優先順位をつけてTo Doを管理できるので便利です。
〆切が決まっているものは、月単位・週単位で細かくタスク分けをし「いつまでに何をすればいいのか」を可視化し、「今日やること」まで落とし込めるようにしましょう。
児童生徒にやらせる
先生方は大変一生懸命な方ばかりで「私も頑張らなきゃ!」って気負う気持ちは分かりますが、全部の仕事をひとりで抱え込んでいませんか?
部活動、委員会、生徒会、行事などなど、普段あなたが行っている仕事で子どもたちに任せられることはないでしょうか?もちろん、丸投げはよくありませんが、「最初のこの部分はアイディアを出してもらおう」とか「この装飾は折り紙を使って作ってもらおう」などなどある程度方針を固めたら、子どもたちにやらせましょう。
先生が困っている様子を見て「自分が助けた」「自分が力になれた」と思えたら、子どもたちの心も成長しているはずです。私は結構子どもたちに行わせており、同じ教室の後ろの方で違う作業を行うなどしていました!
可能な限り授業中に終わらせる
授業の最後にプリントやノートを回収して、後から先生ひとりでチェック…これは大切なひとつの評価材料かもしれませんが、時間と集中力のいる作業ですよね。
最初は私ひとりで放課後に黙々と行っていましたが、途中から授業内で終わらせるようにルーティン化しました。授業の最後10分は、プリント時間にして、授業内のアウトプット時間とし、早く終わった子は丸付けを先生にしてもらうとしました。すると締切効果もあり、子どもたちも集中してプリントに取組むようになりました。
そして、終わった子はミニティーチャーになり、他の子に教えるように指導したことで、クラスの雰囲気もよくなり、授業後の丸付け作業の負荷もぐっと下がったのでWin-Win効果抜群でした!
先にテストを作成しておく
中間考査や期末考査などなど、評価で大事なテスト作りは必ずやってきます。
私は、テストは授業内で身に付けたことが分かっているかを判断する材料だと思っているので、もちろん授業で教えていないことは出さないのが基本だと思います。そう考えると、実は先にテストを作ってから授業をすると「ここはしっかりと理解させておくべき重要な部分」と教える側が、授業でのメリハリをつけやすいんですよね。
それに、テスト作りは地元の塾でも、分析され、「〇〇先生攻略!テスト対策」なんて作られたりもするので、短期間で忙しい時期に作ってられないっていうのもありました…。
時間がある時期に、授業が始まる前にテストを作ると「テストはもうできている」という心の安定にも繋がるため、非常に精神的にも余裕が出ます!ぜひ、まだやったことない方は一度試してみてください♪
学級通信のテンプレートを作成する
担任を持っている先生は必ず意識するべき「保護者の信頼関係」について。これは一朝一夕で築けるほどやさしいものではありません。ましてや「去年の先生は…」と比較されると、もやもやしてしまいますよね。
私が学生の時は、担任の先生の学級通信が好きで、毎月楽しみにしていました!もちろん、作成は義務ではないのでやらなくてもいいことではあります。でも、私はやる派ですし、やった方が良い派です!
ただ、やるにしても作成に時間は掛かるので効率良く、発行できるように仕組化することが大切です。「あれ、結局1年間で第1号で終わっちゃった…」なんてことにならないように。。。
第1号は気合の1枚になると思うので、形式やフォント、写真の配置などが2号以降と変わることになるとは思います。2号以降は基本的にテンプレート化し、余計な装飾を考えなくていいようにしておきましょう。
日常的にカメラを持ち歩く
私は自費で購入しましたが、マイカメラを常に持ち歩いてました!日常的に生徒の様子などを撮影して置くと、後から大変役立ちます!
それこそ、学級通信で使用する写真、学年単位での思い出写真を廊下に貼る、保護者会で流すビデオ用、1年間の振り返り用、イベントの時に使用する用などなど
特に親は、自分の子どもが学校でどんな様子なのかは本当に知りたいことなので、たくさん日頃から写真を撮っておきましょう。成長記録として溜めておくと、子どもたちの振り返りにもなりますし、何より思い出になりますよ!
学校用の貸し出し用カメラは、常に占有してしまうと他の先生に迷惑が掛かるので、私はデジカメを購入しました。それに、プライベートでもネタ集め用に撮っているので、持っていない方は1台あると非常にいいですよ!(本気になると一眼レフを持ち出す先生もいますが…)
やはり学校のパソコンとの同期のしやすさを考えても、ぜひずっと使えるデジカメを持っておくと良いです♪
カメラはこだわると、どんどんこだわってしまいますよね…。
クラウド上で情報共有ができないか
今まで長く先生をしてきた方だと、アナログ式が抜け出せず、紙とペンと口頭での情報共有がメインだったと思います。ただ、今はGIGAスクールの影響もあり、デジタルが進んだことで、クラウド上でのデータ管理が非常に便利になってきています。
私の学校ではマイクロソフトのOne Note(ワンノート)で、学校全体の情報を管理していました。この導入により、生徒のリアルタイムな情報や、生徒指導の進捗、校内の朝の伝達事項、事務での提出書類のアナウンスなど…開けばすぐ見れるようになりました。
先生方は放課後もそれぞれの仕事の場につくため、どこにいるか先生同士も把握が難しいことがあるので、そういった情報を管理できるツールがあれば「ここに記入しておきます、後で読んでください」みたいにしておくのって本当にお互いWin-Winなんですよね。
後は、研究指導とかでも、参加者全員がリアルタイムに意見を書き込んだり、ブレインストーミングのように付箋で張り付けたり、いろいろ使い方はあるでしょう。
ぜひ、クラウドツールでの管理は積極的に進めていきたいですね!アイディアがあれば、提案するだけしてみましょう!
先回りの情報共有を意識する
これは先生になったら絶対守るべきことでもあるのですが「ひとりで抱え込まない」ことはとても大切です。生徒指導や、イベントの管理、教科指導上の悩みなどなど、小さいうちに経験のある先生に相談するなり、情報を伝えておくことが大事です。
もしかしたら、あなたが悩んでいることが今後大きな問題に発展する可能性は大いにあります。大きな事になってからでは、すごい時間も労力も掛かりますからね。
それに、仕事はひとりで進められないものも多くあるため、決定責任者の先生に先に進捗を伺いながら進めることが効率的に仕事をこなすコツでもあるのです。
まだ意識できていなかった人は即実践してくださいね!
本当にやるべきことか?と考える
教育の現場は「仕事」の境界線がわからないことが大半ですよね。もちろん、納得いくまでしっかりと仕事に取り組む姿勢は大事です。ただ、自分の睡眠時間が削れるまで、プライベートの時間がゼロになるまで、時間を投下するのはもしかしたらある程度の基準まで達していれば、そんなに必要ないかもしれません。
特定の仕事をまるまる辞める!という考え方というよりも、「そのレベルまでって本当に必要かな」って考えることは意外と大事かもしれません。時代の流れに沿って「これはもういいんじゃないか」と思うところはないでしょうか、今一度ゆっくり考えてみてください。
家に仕事は持ち帰らない
これは原則として守ってほしいことですが「家に仕事は持ち帰らない」を徹底しましょう。昨今、生徒の個人情報の管理は大変厳しいため、USBの貸し出しも厳重な取扱となっていることでしょう。
つまり特にテストやプリントなどの仕事を持ち帰ると、学校の大事な情報を持ち帰ることと同義となり、もし無くしたら大変なことになります。そのため、そのようなリスクを回避するためにも持ち帰り仕事はしないようにしましょう。
それに家に持ち帰っても、結局やらないことが多いんですよね。家では学校や生徒のことを考えることはあっても、なにか作業をするようなことはない空間としてメリハリをつけておくことが大事です。
「家でもできるし!」といった甘えが消えるので、なんとしても学校で終わらせようと思えるのも大事な早く帰るときのコツです。
早く帰ることは良いことだと思う
学校の先生あるあるですが、早く帰る先生を嫌な目で見るひとがいます。でも、はっきりと言いますが「早く帰ることは悪いことではありません!」。
長く仕事をしていることが正であるという認識が、なんとなく染み付いてしまった方はこの場で取り払ってください。
でも、周りの目が…。って方もいらっしゃるかと思います。
私は「今日は〇時に帰りますよ~!」と周りに宣言しておくと良いでしょう。そそくさ帰っていくと「あれ…?」と思われますが、そんな風に言っておくと「まだ帰ってないじゃないですか」などと逆に帰れる雰囲気を周囲が作り出してくれます。
そんなこと言えるような性格じゃないよ~!って人は、18:30までは絶対に帰る人になりましょう。18:30じゃなくても良いですが、〇時には絶対帰るヤツと思い込ませることです。いつか帰る時刻の話題になったときに「自分の中の目標時刻で18:30に帰るぞ!って決めて仕事してるんですよね~」と一言言えれば十分です。
とにかく、早く帰ることが悪という考えはなくしていきましょう!
まとめ
どうでしたでしょうか。日常的に行っている業務はありましたか?
みなさんがもし、先生をしていて、「本当はもっと早く帰りたい…」「今年度こそは早く帰るぞ!」と考えているのであれば、ぜひ参考になる部分持ち帰って実践してみていただけると嬉しい限りです。