2023年度(22年実施)の教員採用試験分析結果

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2024年度の教採に向けて、2023年度の教採がどうだったか簡潔に知りたい方

最新の倍率を自治体、校種別に知りたい方

いとこん
いとこん

直近の教員採用試験の動向をしっかり把握して、次の教採に備えることはとっても大切。あなたが受験を考えている「自治体」「校種」「教科」の倍率を知っておくだけでも周りと差をつけられること間違いないでしょう。

ニュースでも大々的に取り上げられている「教員採用試験、受験者数続落」。受験者からしたら、これはチャンスにも取れますね。実際に、直近行われた教採はどのような倍率だったのでしょうか。一緒に確認していきましょう。

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2023年度教採の自治体別ランキング

全国の平均倍率は約3.3倍でした。特に【東北】【近畿】【四国】は他の自治体と比べて倍率が高い傾向にありました。一方、【関東】【九州】は倍率が低くでました。

倍率が高かったランキング【自治体別】

1位沖縄5.7倍
2位徳島5.5倍
3位高知5.4倍
4位栃木4.6倍
4兵庫4.6倍
4奈良4.6倍
7位大阪4.5倍
8位香川4.4倍
9位三重4.3倍
10位岡山4.2倍

倍率が低かったランキング【自治体別】

1位長崎2.0倍
2位北海道2.1倍
2位東京2.1倍
2位富山2.1倍
2位佐賀2.1倍
6位山形2.3倍
7位新潟2.5倍
7位福井2.5倍
7位愛媛2.5倍
7位熊本2.5倍
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2023年度教採の校種別ランキング【小学校】

次は校種別のランキングを発表します。

小学校は受験者は全国で3万8641人、平均で約2.2倍で、小学校採用区分を設けている57都道府県・政令指定都市のうち、2倍を切っている自治体は24あり、全国の半分を占めています。3倍を切っていた自治体は42でした。文部科学省が公表した22年度受験者数より約2千人少なかったとのことです。

倍率が高かった自治体ランキング【小学校】

1位兵庫4.5倍
2位高知4.2倍
3位奈良3.9倍
3位徳島3.9倍
5位栃木3.2倍
5位沖縄3.2倍
7位群馬3.1倍
7静岡3.1倍
7位大阪3.1倍
10位香川2.9倍

倍率が低かった自治体ランキング【小学校】

1位熊本1.2倍
1位大分1.2倍
3位秋田1.3倍
3位山形1.3倍
3位富山1.3倍
3位佐賀1.3倍
3位長崎1.3倍
3位鹿児島1.3倍
9位北海道1.4倍
9位青森1.4倍
9位宮城1.4倍
9位福島1.4倍
9位東京1.4倍

話題となっていたのは、東京が1.4倍と、初めて2倍を切ったところですかね。

同率の自治体が多いので見づらいですが、上記の表で見てわかる通り2倍を切っている自治体がとても多くなった印象です。

2023年度教採の校種別ランキング【中学校】

続いては、中学校別に自治体で倍率の高かったところと低かったところを確認していきます。ちなみに中学校は全体平均で約3.7倍でした。小学校よりも全体倍率は高くなります。

倍率が高かった自治体ランキング【中学校】

1位沖縄6.7倍
2位高知5.9倍
3位栃木5.5倍
4位徳島5.4倍
5位和歌山5.2倍
6位福島5.0倍
6位静岡5.0倍
8位三重4.9倍
9位京都4.5倍
9位奈良4.5倍

倍率が低かった自治体ランキング【中学校】

1位佐賀1.9倍
2位長崎2.0倍
3位福岡2.1倍
4位熊本2.2倍
5位大分2.4倍
6位愛媛2.5倍
7位富山2.6倍
7位福井2.6倍
7位山口2.6倍
10位鹿児島2.6倍

1.9倍の佐賀は、秋採用を実施しているため正式な倍率は高くなるかもしれません。

2023年度教採の校種別ランキング【高校】

高校の倍率をみていきましょう。全体平均は校種では一番高く、約5.9倍でした。

倍率が高かった自治体ランキング【高校】

1位青森16.9倍
2位沖縄12.1倍
3位福島9.5倍
4位島根9.2倍
4山梨8.9倍
4大阪8.8倍
7位香川8.7倍
8位福岡8.6倍
9位徳島8.2倍
10位秋田8.1倍

倍率が低かった自治体ランキング【高校】

1位新潟2.6倍
2位富山2.6倍
3位大分2.7倍
4位北海道2.8倍
5位東京2.9倍
6位愛媛3.1倍
7位宮城3.3倍
7位福井3.3倍
9位石川3.9倍

ここで注意すべきは、東京は中学校と高校の試験の区分が一緒になっているため、あくまでも参考として見ておいてください。

教科が違うだけでこんなに倍率が違う

高校の東京の倍率は約2.9倍(参考値)でしたが、実は出願する教科によってかなり倍率に開きがあるのです。

たとえば、保健体育は6.2倍なのに対し、理科(物理)は1.6倍です。選ぶ教科によって倍率が大きく違うことは知っておいた方がいいでしょう。

倍率が高い教科:保健体育 6.2倍 社会(公民)4.9倍

倍率が低い教科:英語 1.8倍 理科(物理)1.6倍 

受験者数は減少傾向 ~異例の「定員割れ」も~

基本的に公表する倍率は以下の式で割り出されます。

実質倍率の出し方

1次試験受験者数÷最終試験合格者数=実質倍率

ただ、自治体の公表していた「採用予定者数」に対してそもそも受験者が少なかった自治体もあり、1倍を切ってしまう現象が起こりました。大分の小学校と、秋田の小学校は顕著に低い倍率が目立っていました。

受験者の数が採用人数より少なくても「全員合格」とはならない

昨今、教員のなり手不足は話題とはなっていますが、だからと言って試験で低い点数の人が合格するわけではありません。そこは勘違いしないようにしましょう。

また、小学校の倍率は低く出ていましたが、中高に関しては依然と高い倍率を維持している自治体があることも事実です。きちんと教採の対策および、どこの自治体と校種・教科で挑むかは戦略立てて挑む必要があるでしょう。

来年度以降の教員採用の動向は追っていこう

倍率が毎年減少している状況を文科省もなんとかしないといけない、と関係団体などで協議会を開催しています。そこでは、教員採用試験を例年の時期より1~2ヶ月以上前倒しにする案が上がっているようです。

早ければ、来年度(24年度)から実施されるかもしれません。トレンドはしっかり追い続ける必要があるでしょう。

まとめ

今回の自治体別の分析を参考に、どのくらいの勉強量が必要そうなのか推測しつつ「憧れる」先生になってほしいです。

低倍率で受かりやすいからといって、勉強もせずただ受けてたまたま運よく先生になれたとして、後から苦労してしまうのは自分です。

倍率は参考程度にして、よりよい自治体・校種・教科の選択をしてほしいです。

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いとこん

元中学校教員の いとこん です。営業、大学職員を経て、現在は DX コンサルタントとして働きつつ、ブロガーとしても活動しています。本ブログは、主に【教員の入口(教員採用試験対策)】【教員からの出口(転職ノウハウ)】【現職教員へのヒント】を自分の経験をもとに発信しています。

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